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寒気がして動くのもおっくうだが、寝ているわけにもいかないのが社会人の悲しさだ。
仕事を休むとしても、病院に行ってインフルエンザの検査をして、結果を職場に報告しなくてはならない。
障子を通して部屋に差し込む仄明るい光。枕元の目覚ましは6時半を示している。早朝だ。
あ、やばい、と思ったとたんに、目覚ましがかちんと音を立てて、じりりりり、と、レトロな叫び声をあげた。
重たい腕をあげて、目覚ましを叩いて黙らせる。
インフルエンザは脳みそに影響するのか。6時半という早朝に、あの人に連絡をするなんて、大変な暴挙だ。
(昨日は、何時に帰ったんだろう……)
あと残り僅かな睡眠時間の邪魔をしていなければ良いのだけど。わたしのメールなどで。
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