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「そうか。聞いてもいいか?」
「どうぞ。」
「吸血鬼とはなんだ?」
と、土方さんが眉間にしわを寄せて言う。そんなに怖い顔しなくてもいいじゃないですか。
「吸血鬼とは、西洋の妖怪・・・妖みたいなものです。人と違う所は生き血を吸って生きるというところ。そして、永遠に近い刻を生き・・・空を飛べるというところですかね。」
「えっ!?詩音空飛べんのか!?」
永倉さんが前のめりになって言う。・・・あの翼をなんだと思ったんですか!
「新八だって見ただろ?本当に馬鹿だよな!」
「はぁ!?お前は黙ってろ左之!!」
「いやー、左之さんの言う通りだと思うよ?飛べなかったらあの羽は何なのってなるじゃん?」
笑いながら原田さんと藤堂さんは言う。藤堂さんの言ったことが本当だと思い、永倉さんは静かに腰を下ろす。
「他には特徴ってないんですか?」
興味津々に沖田さんは目を輝かせて聞く。
「なんか私って普通じゃないらしくて、本来なら吸血鬼は太陽に当たると灰になって死んでしまうんですが、私は長時間当たっていると倒れるくらいで、それほど問題はないです。それに太陽に当たってはいけない分、夜は活発に動けます。あと・・・身体能力が優れてたり、姿は人間ですが、目が紅くなった時が本来の姿・・・みたいな感じ・・・と言った所でしょうか?」
「なるほどな。」
人間じゃない者が身近にいるって事でもそうとう凄い事だと思う。それに人の血を吸わないと生きていけない者だもの。
驚かないんだ・・・
「じゃあ、夜の時は遠くまで見えたりするのか?」
「そうですね、いつもの数倍は見えます。」
そう言い終わると、土方さんは先程とは比べ物にならないほどの鋭い目付きで私を見始めた。
「もう一つ聞く。・・・暁 歌奏。あいつは何者だ。」
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