プロローグという名の心の想い

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土方さんはまるで全てを吐けと言わんばかりの口調で私にそう言ってきた。流石にそれには、私は答えざるを得ない。でも、その事を聞くのは・・・ 「それは、本人に聞いた方が手っ取り早いと思います。あと・・・話すにあたって一つ・・・言っておきます。」 「なんだね?」 私は、先程の土方さんの鋭い眼差しの様な目で、見渡した後に言った。 「絶対に・・・歌奏を怒らせてはいけません。」 それは私が歌奏を生み出してしまった時に起こった事。理由は考える間もない。 「知っていると思いますが、歌奏の殺気はとてつもなく強大です。」 「あぁ、それは二回ほど感じているから問題はない。」 「もし、本気で歌奏を怒らせてしまえば・・・ここら辺一帯が血の海になります。」 「!!?」 それは誰も予想はしていなかった。誰も、一人の人間にそこまでの力があるとは思っていないからだ。 「それに、あの時の歌奏の殺気は極一部に過ぎません。だから、くれぐれも、お気をつけて。」 「・・・わかった。」 その答えを聞いた後、私は目を閉じた。そして、次に目を開けた時には、既に入れ替わっていた。 『という訳だから、僕を怒らせると大変な事になるからね。もちろん、詩音を怒らせた方がもっと大変になるけど。』 「それはどういうことだ・・・?」 僕はその返答を聞いて、笑った。本当に分かってないんだね。 『だってさぁ。僕は言わば詩音の分身みたいな存在。僕が本気を出すよりも、本人その者が本気を出した方が何倍も強いに決まってる。血の海どころじゃなくなるよ。きっと・・・・・・街が滅ぶよ。』 僕の答えに、誰も言葉を返す人はいなかった。それもそうだ。人格があるだけで、本人の方がよっぽど強いに決まっている。 『まぁ、詩音は僕と違って優しいからあんまり怒らないけど。本気で怒らせたら、僕よりもやばいよ。だから、僕らを怒らせない方がいいって事。』 結論から言えばそうだった。どっちにしろ、僕も詩音も、怒らせるとやばいんだよ。
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