プロローグという名の心の想い

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『それで、僕が勝手に話してたけど、聞きたいことあったんですよね。土方さん。』 僕は中から聞いていた話をちゃんと覚えている。だから、話が変わってしまったのを修正しようとして、話題を変えた。 それが正しかったらしく、土方は思い出したように僕に問いかける。 「お前がもう一人の暁だって事は分かった。お前は・・・俺達を壊滅しようとしてるのか?」 その質問には僕も正直驚いた。中で聞いていた詩音の驚きも、僕に伝わってくる。 『それ・・・本気で言ってる?』 「本気じゃなかったらこんなに真剣になると思うか?」 『・・・ま、それもそうだね。・・・壊滅なんてしないよ。そんな事したら詩音の逆鱗に触れるし。それに、ここに居られるうちは・・・、僕だってここにいたいから。』 それは詩音の言葉でもあって、僕の言葉でもある。僕と詩音が全くの別人だったとしても、その意思はきっと変わらないだろう。 信頼し合っている・・・友のような存在の詩音が楽しそうに笑っていられるのなら、僕だってそこに居たい。そう思うのは当然であろう。 『僕が何者かは・・・今度僕と戦う時にでも聞いてよ。・・・疲れちゃった。詩音、交代。』 「・・・へっあ、ちょ・・・。あー、ちゃんとお話出来ましたか?」 突然入れ替わられて、私は少し戸惑って、よく分からない言葉を発してしまったかもしれない。それに、皆さんも、ポカーンとしてます・・・ 「えーっと、詩音で合ってるか?」 そう、不安げに永倉さんが私に向かって言う。私は返事をしながら頷いた。 「・・・見分けがつかないから大変だなこりゃ。」 「そ、それは仕方ないです」
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