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壁は凹んでいて足元も所々傷だらけで今にも壊れそうな勢いだった。
「あーまたやってしまいました・・・。もーあとちょっとだったのに。」
「私がやったんじゃなくて歌奏がやったのに・・・。」
「なんか言ったか?(黒笑」
「「ごめんなさい」」
周りで見ていた人は皆思った。
この2人は化け物だが土方さん(副長)はもっとやばい・・・と。
***
結局勝敗がつかないまま、道場の修理をする事になった。
まぁ、この有様じゃ使い物にもならないし・・・。無傷だったのがすごいと思います。
「私、試衛館にいた頃も一回道場壊してしまったんですよ・・・。まぁ、あそこはここよりもおんぼろだったのでなんとも言えませんが。」
「そうなんだ・・・。でも総司との手合わせ楽しかったな。久しぶりに本気でやった。って歌奏が言ってます。」
「ふふ、それは良かったです。それじゃあ!夕餉までにこれを直しちゃいましょう!」
私は返事をして頷くが、同時にこんなやばいのに半日で終わんないよ!とも思った。
てか、歌奏がやりなよ!私の仕事じゃないでしょう!
『えーだって、僕は君だもん。それに、僕は疲れたよ。』
もぅ・・・自分勝手だなぁ。
というか、こんな事を女の子にやらせるなんて本当にあの人は鬼副長ですよ!!
やってしまったことは仕方ない。だから、やるしかない。
「詩音。」
「ん?」
「今度は、お相手してくれますか?」
「もちろん。きっと、私も総司と同じで誰も相手してくれなさそうだし。あ、でも・・・程々にしないとまた壊しちゃうからね。」
「それもそうですね!」
あはは!と2人で笑いながら作業を進めた。
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