第2章

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「さっそくで悪いんだけど、明日はCM撮影があるからね。まだ怪我が完治していないから延ばしてもらおうと思ったんだけど、向こうが厚意でほとんど体を動かさなくてもいい内容に変えてくれたみたいなんだ。頑張ってくれよ」 「いきなり何を言ってるんですか」私はソファから落ちそうになるくらいに驚いていました。 「仕事が押しまくっているんだ。体の回復は待っていられない状態なんだよ」  嶋タケルの記憶を思い出せなくても、一つだけ自信を持って振り返られることがあります。私は確実にこの人のことを嫌っていただろう、ということです。
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