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それだけならば、諦めもつく。
だが、裏切り者が出たとなれば話は別だ。
しかるべき制裁を。
そのために寒空の下、空腹を抱えて俺達は集まった。
「後三十円。それで見切り品の茹で麺が二袋買えた。百円あったら? パーティーが開けただろうぜ」
ジョニーが夜空にタバコの煙を立ち昇らせながらそう言った。
彼は鍋会に参加した大学生の一人。ジョニーってのはあだ名だ。
麺類とタバコ、それに海外ドラマをこよなく愛する男だ。
「炭水化物。滋養に良い」
滋養に良い、それがジョニーの口癖だ。あんまりそればっかり言うので、いつの間にか皆がジョニーって呼ぶようになったってわけ。外人もロッテのピッチャーも関係ない。
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