ばれた…

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 べつに、隠さなくてもいいと言われた。でもやっぱり、なんとなく言いだしづらい。 「お前、明日から二日間休み取っただろ。旅行か?」 「あっ、いや!」  ゼロスの突っ込みが今日は鋭い。隠せずにあたふたすると、右からレイバンが、左からハリーがガッシと肩を組んだ。 「水くさいじゃないの~、ランバートさん」 「そうだよぉ。俺たちに隠し事なんてしたら、いーけないんだー」 「観念しちゃいなよ、ランバート」  ニヤニヤしている三人にもう一杯一杯になって困っていると、不意に背後から影が差した。 「お前、ここにいたのか」 「ファウスト様!」  途端に全員の表情が締まる。ただ一人、ランバートを除いては。 「悪い、邪魔をする」 「構いませんが、珍しいですね」 「少しな。ランバート、明日迎えに行く。寝とけよ」 「…はい」  それだけを伝え、柔らかく頭を撫でられる。それだけで多少心臓が煩い。柔らかな微笑みを見上げ、出ていった人の背を追ってしまう。視線だけが、そうしている。 「…ねぇ、あれって…」 「…ランバート?」  顔が熱いのをごまかせない。早く慣れなければと思うのだが、どうにもできない。  多分仕事モードなら平気だ。何より誓約書を書かせた。大事な事は最初のうちに、そう思って。 「大物釣ったな、ランバート」     
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