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ばれた…
ファウストとの密かな旅行を翌日に控えた平日、ランバートは普通に仕事をしている。ただ、普通だと思っているのはランバートばかりだったようだ。
「なんかさ、ランバート最近色気が出たよね」
「え?」
夜、ランバートはいつもの仲間達に拉致られた。旅の準備は終わっているから構わないのだが、不用意につつかれると未だにボロが出る。
「色気?」
「恋人出来たんじゃないの?」
「え?」
ニヤリとレイバンが笑い、ハリーまでもが下世話だ。ゼロスとボリスも今日は止める気がないらしい。ニヤリと同じ笑みを浮かべる。
「アシュレー様と噂になっていたが、本気か?」
「アシュレー様には遊ばれてただけだ」
「朝帰り疑惑あったよね? あれって…」
「朝までチェスやらされたんだ。勝てなかった…」
「あぁ…」
朝までやって勝てないなんて、本当に初めてだった。悔しくてたまらないが、学ぶ事は多かっただろう。
「でも、ランバート本当に綺麗になったよ。本当に、恋人出来たんじゃないの?」
「あぁ、いや…」
「出来たんだ!」
ボリスはウズウズという様子で話を待っている。でも、言っていいものか困る。だって、相手が相手だ。
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