ばれた…

1/7
515人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ

ばれた…

 ファウストとの密かな旅行を翌日に控えた平日、ランバートは普通に仕事をしている。ただ、普通だと思っているのはランバートばかりだったようだ。 「なんかさ、ランバート最近色気が出たよね」 「え?」  夜、ランバートはいつもの仲間達に拉致られた。旅の準備は終わっているから構わないのだが、不用意につつかれると未だにボロが出る。 「色気?」 「恋人出来たんじゃないの?」 「え?」  ニヤリとレイバンが笑い、ハリーまでもが下世話だ。ゼロスとボリスも今日は止める気がないらしい。ニヤリと同じ笑みを浮かべる。 「アシュレー様と噂になっていたが、本気か?」 「アシュレー様には遊ばれてただけだ」 「朝帰り疑惑あったよね? あれって…」 「朝までチェスやらされたんだ。勝てなかった…」 「あぁ…」  朝までやって勝てないなんて、本当に初めてだった。悔しくてたまらないが、学ぶ事は多かっただろう。 「でも、ランバート本当に綺麗になったよ。本当に、恋人出来たんじゃないの?」 「あぁ、いや…」 「出来たんだ!」  ボリスはウズウズという様子で話を待っている。でも、言っていいものか困る。だって、相手が相手だ。     
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!