魂の降る夜

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広く、暗い空には無数の星が輝き、雲のない空から白銀の雪が舞い落ちている 豊かに繁った木々は白く染められ、透明な泉は青白く輝いていた 泉のほとりには、鈴蘭の形をした明かりが明々と灯されている そこには、スネグーラチカと同じ陶器のような白い滑らかな肌に、銀色の髪を揺らした精霊たちが楽しそうに歌い、踊っていた 「スニェークもおいで!」 私はスネグーラチカに手を引かれるまま、精霊たちの輪に入る 初めて見る躍りなのに、手足が勝手に動いて上手に踊ることができた 精霊たちが歌うと、その歌は空に上って雪の結晶となり、はらはらと落ちてくる ふと、躍りの中に懐かしさを感じる幼い精霊を見つけた 銀色の髪をふわりとなびかせながら楽しそうに踊っている 「あ…」 と、私が見つめていたことに気がついたのか、その男の子は躍りながらやってきた 「踊ろう、スニェーク」 どうして、私の名前を知っているの なんて、愚問だ 「いいわ」 私はその子の手をふわりと掴むと、一緒に踊り出す 精霊たちが竪琴や横笛、小さな丸太の太鼓で奏でる美しい音楽と歌が私たちを包んでくれる
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