魂の降る夜

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それから、お母さんは少し元気を取り戻して、私と一緒に家の仕事をするようになった 家に明るさがもどりつつある秋のこと おばあちゃんは冬を待たずに亡くなった とても幸せそうな表情で眠りについたおばあちゃんは、二度と目を開けることはなかった おばあちゃんが亡くなった日の夜、少しだけ雪が散ったような気がした ぽわん ぽわわん 音が聞こえる きっとスネグーラチカが歌っているのだ おばあちゃんも、冬の精霊になるのだろう どうか、スネグーラチカと再会できますようにと願いながら あれから、私は御霊祭の日を昔のように楽しめるようになった 日中はお母さんと街へ出かけてお祭りを楽しみ、夕方になると森へ出かけてスネグーラチカの歌に酔いしれた 雪が舞えば、暖かな音が鳴り響き お兄ちゃんとおばあちゃんがそばにいてくれるような気がした
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