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1.天は二物を与えないんじゃないのか
「あー!!分かんねーー!!」
「ほらほら祐一さん、すぐに放り出してしまってはダメですわよ。」
「前からお兄ちゃんがバカなのは気付いてたけど、ここまでとは思わなかったよ。」
「我が弟ながら恥ずかしくて外を歩けないレベルね。」
「なんだよ!皆して俺のことをバカ呼ばわりして!」
『だって本当のことでしょ?(ですわよね?)』
「ひどすぎだろ!?俺引きこもっちゃうからなーー!!」
今日は、夏休みが目前に迫ったある休日である。
俺はさっきから阿鼻驚嘆の連続だが、何が起こっているかというと、俺達が通う西ノ森学園では、夏休み直前にこれまで習った範囲で試験が実施される。その結果、学園が指定した点数をクリアすることが出来なければ、夏休み中に学園へ出向きとてもとてもありがた~い補習を受けることとなる。ちなみに補習は夏休み中の土日以外は全て開催され、おまけに夏休み最終日に再試験を受けて、それでもダメな場合はその時点でもれなく理事長からのラブレターと言う名の、『退学通知』を受け取ることとなる恐ろしい試験である。
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