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「ま、褒め言葉にとっとくよ。愛理は良いモノも悪いモノも寄せやすいからさ。僕くらいのがついてないと色々とやっかいなんだよね。こっちでの使命もあることだし」
「僕くらい?」
「あ、僕、腕良いの。守護にかけては、かなり出来るヤツなんだよっ」
「アイリーンは?」
「アイリーンは、導くって意味での守護。僕のは特殊な守護だから。祓師って呼ばれるんだけど、んー、イメージで言うなら退魔師みたいな感じかな。ちょっと違うけど」
「ん…なんとなく」
「ほんとは、もうちょっと早く愛理の守護者になるはずだったんだよ。けど僕が前に守ってた人が予定外に長生きしちゃって。あの人も寄せまくる人でねー、最後まで苦労した。まあなんとか無事終了。で、交代したの」
「寄せやすいって何?なんで寄せやすいの?」
「ん…体質だね。ま、だから、あっちで悪いのから僕が守ってる。ある意味一番守護してるよ。悪いのこれで祓いまくってる」そう言いつつ、レジィは背中の矢筒から矢を一本取り出した。それは、40~50cmほどの短い金色の矢だった。矢の先の方がオレンジと青緑の色味の強い虹色にきらめいている。
「矢?」
「うん。これが当たると退散!ってなる」
「へえ…キレイ。矢はもの凄くキラキラしてるね」
「だね。愛理に寄って来る悪いモノ祓うのに関してだけなら、今のところ僕まだ100%だよ。ただ、たまに、間違えて良いのまで祓っちゃったりするけど。気にしなーい」レジィは、くったくなくアハハと笑った。
へ?
「あーそんな顔しないでよ。何事も完璧なんて無いんだからさっ。勿論目指してはいるよ?けど、どこまで行っても完璧って無いんだよねー。ま、だから目指せるんだけど。愛理の場合はさ、悪いのが入る方がやっかいそうだから。良いのはまた寄せれば良いだけだから。ねっ」
そんなかわいく『ねっ』って言われても、良くわかんないけど…「そもそも寄せるって…何?」
「憑依」レジィはニコッと笑った。
「えっ、怖っ」この人、今、怖い事をかわいく言った。
「別に怖くないって。向こうじゃそんなのしょっちゅうある話なんだから。見えないからわかんないだろうけど、良いのも悪いのも憑依しまくってる。愛理、最近、楽になったでしょ?変なの憑かなくなったから。僕のお蔭なんだからね」レジィは今度は弓を取り出して弦を引いて見せた。
「何、そのかわいい弓」
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