第1章 地味なレジィ

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「へ?あー、かわいいでしょ?キューピッドの弓っぽくない?」  全長60cmほどの小さな弓。これも全体が金色できれいに光っている。弓の真ん中に薔薇色のハート形の大きな石が飾られていて、確かにキューピッドの弓っぽくもある。 「え?あ、そっちの意味でもかわいいけど、そんな小さい弓で当たる?」 「え、僕、命中率もすごいよ?まあ普通に手でも祓えるんだけどね、僕が守護する人って、寄せまくる難易度高めな人ばっかだから、たまにとんでもないの寄せたりもするからさ、矢で祓ってる。ま、手で祓うのって気持ち良いもんでもないし、手で払ってる祓師なんて居ないんじゃないかな。多分」 「手より矢の方が強いって事?」 「うん。そう。向こうでも僕、こんな地味ーな感じでやってるからさ、手だとあんまり力出せないんだよ。矢に力を込めてあるから、向こうだと矢の方が強力。ちなみに、交代前のサラはこれね」レジィは両手を重ねて人差し指を前に突き出し、狙いを定めるように片目を閉じた。「バンバンバン」 「拳銃?そっちのが強そう」 「んー、それがそうでも無いんだよね。まぁ一発で祓えるなら手っ取り早そうだけど…ま、その話は良いや。僕さ、愛理が起きてる間、せわしなくピュンピュン射ってさ、愛理が眠ってこっち来てる間にせっせと矢作り。僕、すっごい働いてるでしょ?」  よくわかんないけど、そうなんだろうな…「ありがとう」 「いえいえ」レジィは満足そうに微笑んだ。「あ、でさ、基本的に、射るってね、僕、嫌なんだよね。だから、せめて可愛い感じにしてみてる」レジィはハートの弓を見せて、愛嬌たっぷりにかわいく笑った。  嫌なら、やんなきゃ良いのに… 「そうも行かないよ。能力があるって事はさ、使わないと。与えられてるわけだから。嫌でも」レジィは初めて真面目な顔つきでそう言った。 「でさ、愛理」レジィはテーブルに両手で頬杖をつき愛理をみつめた。自然と上目使いになる。「今ね、アイリーンが大変な事になっててさ」 「え?アイリーン?」 「愛理の協力が要るんだけど。協力してくれる?」レジィは小首を傾げてかわいくお願いした。  そんなかわいくお願いしなくたって…「そんなのするに決まってる」 「そ。じゃ、アイリーンとユーディの所へ行こうか」レジィは話は決まったとばかりに立ち上がった。  ユーディ…赤い目のユーディ…怖い
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