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「音ちゃん、一体どこがドキドキしてんのかさっぱりわかんないんだけど?」愛理はわざと話を逸らした。
「えっ、部長ー、それバラすの無しですって」
「は?何がドキドキすんの?」
「なんか、優に話しかけられたらドキドキするんだって」
「へー。ふっ、ホント良く言うな。嘘つき発見。お前はしてない」優は音風を見てニヤッと笑った。
「そうですかね?」
「見てりゃわかるって。愛理の次に普通。珍しいタイプな。超レア。貴重品」
「何それ、優に話しかけられたらみんなドキドキしてるみたいに聞こえるけど」すかさず愛理がつっこみを入れた。
「してるよ。笑いかけでもしようもんなら、一瞬で恋しちゃいましたみたいな顔するしさ」優は平然とした顔で言ってのけた。
「もう、優、やめときなよ」愛理は呆れた顔をした。
ホントに優は年々かっこ良さに磨きがかかりまくってる。それは認めるけど…
「やめとくも何も、私は普通にしてるだけ。向こうの勝手だし、知らないよ」
「まあ、そうですよね」音風が優に同意した。
「そうそう。やっぱ、音ちゃんは話わかるヤツだわー」優はニッと笑った。
ふふっ、この『ニッ』が無敵なんだよねー。優の場合これだけで大抵何でも許されちゃう。
そんな事を思いながら、愛理はジャンとコードを鳴らした。「音ちゃん、コード一緒に合わせてみて、せーの」ジャン「うん。OKだね」
「ウクレレ同好会、部長抜けたら3人になっちまうのかー。大変だな」2人で帰りながら優が愛理に話しかけた。ちなみに、優と愛理の家は同じマンションの同じフロアにある。
「短大行っても顔だすつもりだけど、音ちゃんが居れば大丈夫。音ちゃんは私の事立ててくれるけど、実質、ずっと音ちゃんが部長みたいに仕切ってくれてたし」
「そう?ま、あいつが良い意味で変わってるのは認めるけど、別に立ててるって感じには見えないけどな」
「花奈とスーちゃんが入部してくれたのだって、しっかり者の音ちゃんが居たから。見学に来た時、すごい頑張ってアピってくれてた。私何もしてないし」
「んー。愛理はさ、多分、自分評価が低すぎる」
「へ?急に何」
「もうちょい自信持って良いと思うけどな。色々と」
「ふーん」そりゃ、私も優みたいなら自信持てるだろうけどね。
夜、愛理はベットに入って眠ろうとすると、ユーディに刈られた夢を思い出し、不安な気持ちが膨らんだ。
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