第1章 地味なレジィ

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 青い…  愛理は全体がほの青く、空気にまでも青が感じられるようなそんな場所に立って居た。  私、ここ、知ってる。2年前、聖歌隊が歌ってた…優がバスケしてた場所だ。 「優は今、来れないよ。ユーディと一緒になって下の方に居るから」  声がすると同時に愛理の目の前に人の姿があった。愛理は、驚いて声の主を見た。 「こんにちはー」声の主は、にこやかに愛理に挨拶すると、周りを見て独り言のように呟いた。「『青の島』か…久しぶりに来たけど、やっぱ良いな、落ち着く。丁度良いや…ここでちょっと落ち着かせてから…」 「こんにちは」…誰?この子…しっぽが付いてないから、こっちだけの人だ  寝ている間にこっちへ戻ってる人には、触れない銀色の紐がついてる。しっぽみたいな感じで。今の私にもちゃんと付いてる。こっちだけの生活の人にはしっぽがついてない。2年前にユーディに教えて貰った事。この子はこっちだけの人って事よね。 「そうそう、僕こっちだけの肉体持ってない人ね。レジィだよ。よろしく」レジィはかわいく小首を傾げてニッコリした。 「よろしく…」男?女? 「え、そこ迷う?別にどっちでも良いけど、一応男」  どっちでも良いんだ…同い年くらいかな? 「どっちでも良いよ。男だろうが女だろうがあんまり関係ない。上に上がってくほど、差がなくなってく気がする。で、あー、歳は、ユーディより上かな?多分」  へ?ユーディより上?っていくつ?いや、そんな事より、私しゃべってない… 「あ、ごめんね。守護者って心の声聞こえちゃうから。筒抜け。諦めて」レジィは人懐っこそうな顔で笑った。  は? 「は?ってさ、そう言うもんなんだよ。ああ、僕、愛理の守護者なんだ」 「え?私の守護者って…アイリーンでしょ?」 「メインはアイリーンだよ。守護者って複数居るもんなんだ。ま、僕まだ、愛理に付いて2年ほどだけど。ほら、優と仲たがいした件、あれが一件落着した後くらいに交代したからさ。まあ、座ろっか」レジィがそう言うと、テーブルと椅子が現れた。  あっ。そうそう、ここ、鏡とかウクレレとか、都合よく突然現れるんだっけ 「都合よく現れてるわけじゃなくて…これ、今、僕が作ったんだけどね」 「へ?」 「ま、良いから、ほら、座ってー」  レジィににこやかに促されて、愛理は自然と座っていた。
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