第1章 地味なレジィ

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 向き合って良くみると、レジィは小顔で黒目勝ちの目のかわいい顔をしている。髪は上半分をポニーテールのように上の方で束ねていて、毛先が元気にピョンピョン跳ねている。のだが、全体的になんとも落ち着いた色合い。髪は暗めのあずき色というか渋い赤紫というかそんな感じのシックな色合い。目もきれいではあるが落ち着いた茶色。服は暗い紺色と暗めのブルーグリーンで、これもかなり落ち着いた色目。良く見ると髪も服も本当にほんの少しだけ玉虫色に光っているようにも見える。  男でも女でも関係ないねぇ…確かにどっちでも通りそう。けど、守護者ってみんなアイリーンとかユーディみたいにキラキラなのかと思ってた…レジィってなんか、すごく…地味 「アハッ、僕、地味?」レジィはおかしそうに声をたてて笑った。 「え?ん…地味。ユーディもアイリーンももっと鮮やかな色で輝きまくってたし。それに、なんていうか、中から出てくるものが半端なかった。優もそういうのあるんだけど、オーラっていうか…」 「光輝ね。確かに今の僕にはないだろねー。愛理は向こうでもそう言うの感じとれる人だよね。そのくせ、まだ自分を守るすべは知らない。だから、僕、大変なんだよ。ホントに」レジィは小さく溜め息をついた。  はい?話が良くわかんないんだけど。 「かもね。わからなくて良いよ。ま、僕、ホントは派手だから」  どこが派手? 「まあそれは良いからさ。じゃあ、わかる話しようよ。今日、音ちゃんに愛嬌でてきたって言われてたよね?あれ、絶対僕の影響だからね」そう言うとレジィはニコッと笑った。 「どういう意味?」 「僕、向こうでは愛理に一番べったりついてるんだし、影響出ないわけないんだよ」 「べったり?」影響?『一応男』の影響? 「うん。誰よりもべったりついてるよ。交代する前の人、サラって女性なんだけど、真面目な落ち着いた感じの人だからねー。あ、美人だけど。僕、愛嬌あるでしょ?」レジィはわざとらしくニマっと笑った。  確かに一見地味でぱっとしないけど、気さくな感じで話しやすいし、表情も豊かでずっとニコニコしてるし…こういうのを愛嬌あるって言うのかな?んー、けど、『一応男』の影響で愛嬌でてきたって、なんか複雑。 「ふっ。愛理、わりとしつこいね。『一応男』だけどさ。さっきも言ったけど、考えてる事、筒抜けー、だしねっ」 「え?あ、ごめん」私、何考えてたっけ?
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