ウチにきたネコ ~メリ~

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元々ネコは飼う予定でした。姉の嫁入りについていったネコのウィルスが死ぬ頃に新しいネコを飼うことにしよう、と母と話していました。それが早まっただけのこと、と思えばいいのか…… 自分の部屋でビーズクッションに座っていると、そのネコは当然のように膝の上に乗ってきました。 「この部屋のボスが誰かよく分かってる」 笑う姉の言葉に背を押されることはなかったけれど、このネコを飼うことに決めました。カリシウィルスの関係でワクチンが終わるまで自分の部屋に隔離する形で、姉が嫁入りするまでネコは自分の部屋にいることになりました。 さて、名前をどう考えよう。 それにはそれほど時間がかかりませんでした。 「メリで」 どこからどう考えたのかは母以外にはわかってもらえなかったのですが、由来はMellow Yellowという名前の炭酸飲料です。その時、自分の部屋で見たメリはライトの加減なのかオレンジと黄色のトラ柄に見えました。その配色ですぐ思い浮かんだのがMellow Yellowのパッケージでした。タイミング悪くその頃「メリダと恐ろしの森」をやっていた頃だったのでそこから取ったと思われがちだったのですが、決して違うんです。 家に帰るとメリと過ごす日々がそこから始まりました。 メリはすごくおてんばなのか、前歯が1本ありませんでした。そして爪も1つ無くなっていて、爪の無いネコの指を初めて見ました。その後無事に爪は生えてくるのですが、他の爪に比べると脱皮しにくいのか、よく巨人の爪のようになっているので爪を切るついでに脱皮もさせています。ちなみに左手の肉球にはセクシーなホクロが2つあります。 前にいた場所の名残が彼女の行動によく見られました。例えば、来たすぐも今も変わらずするのは、ご飯を食べながら頭を振ること。姉曰く、缶詰をもらっていたネコのくせなのだと。歯にくっついた缶詰が気になって頭を振ってしまうらしいです。それをカリカリのみのウチのご飯でも彼女はやってしまうらしいです。彼女がいた場所は扉が引き戸だったらしく、開き戸のウチの扉の角に寝転がって引っ掻いて扉を開けようとしていました。手で遊ぶとじゃれてきて、生身には優しく噛み付いて、服の上からは本気噛みをしてきました。今ではいつでも全力で本気噛みです。抱っこにはそれなりに耐えてくれるのですが、時間制限があるようでした。 そして一緒の布団では寝てくれませんでした。
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