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ウチにきたネコ ~カイ~
雨の日にウチに迷い込んできたネコ、メリがウチに来たその年の10月の終わりのこと、近所のホームセンターから姉から電話が来ました。
「メリによく似たネコがワクチン済んでて、ハロウィンセールで4分の1の値段で売ってる」
行ってみるとそこには半年になるまで売れ残ったかわいらしいシルバータビーのアメリカンショートヘアがいました。その顔は確かにメリに似ていました。話を聞くと、今まで2回買われたが戻って来たとのこと。性格に難ありなのかも知れない……でもネコには一定の性格がいないことは生まれてこのかたほぼずっとネコと生活して来た自分からすれば、当然のことでした。
ハロウィンセールは10月いっぱいまでだろうな、そしてその日は10月の最終日。明日になったらセールは終わっていることだろう。そのため、そのネコを買うことはほぼ即決でした。何も持たずに訪れていたので、お店でケージを貸してもらい、ただ外がよく見える格子状態のケージだったので、着ていた上着をケージの上にかぶせて連れて帰りました。ちなみに、お店でネコを買うのはウチでは初めてのことでした。
家に連れ帰ると売れ残っていたアメショはお店でイヌと戯れることで過ごしていたようで、どうやら初めてネコと遭遇したみたいでした。メリを見るなり飛びついていて、メリは思っているよりも寛容にアメショを受け入れてくれました。ぐちゃぐちゃにされるメリを救い出しながら、アメショの名前を考えます。メリを色から考えたのだから、この子も平等にそこから考えることにしました。
「灰色だからカイで」
特に考えるわけでもなく名前は決まりました。
「そうだね~」
当然のように家族全員がそう返事したのでなんとも思っていなかったんですが、後でわかったことはこの命名の仕方はあまりない発想だったらしいということでした。獣医の先生に新しいネコの名前を言った時、灰色でどうしてカイにつながったのかに気付いてもらえなかったことでわかりました。自分は職業柄、遺跡に関わる用語にいくつか慣れています。その中で、遺跡の土層の色調を表現する中で「灰褐色」を「かいかっしょく」と言います。だから、灰色のアメショはカイになったのでした。
それから6匹のネコが嫁入りするまでの数週間、家に帰るとメリとカイとで過ごす日々を過ごしました。
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