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とある少年の日記
12月28日。
昨日から何だか冷え込むなあと思いながら眠りに就いて、今日起きてみたら一面銀世界になっていた。
まさか年を越す前にこんな事になるなんて思いもしなかったので、正直かなり凹んだ。
まあ、別に特にこれと言って予定があった訳ではないので、僕の気分が勝手に少し沈んだだけなのだが。
そもそも、今日に限らず予定なんて僕には無いので関係ないわけだが。
一緒に食卓を囲む家族も。
心を許せる友達も。
大切だと言える恋人も。
僕には誰一人居ないのだから。
…こんな事を個人の日記に書き記した所で虚しくなるだけなのだけど、これと言って予定の無い、話す相手も居ない僕は書くことしか出来ない。
結局、いつも誰かに温もりや優しさを求めては、日記という自分にしか理解出来ない殻の中に閉じこもって、自分の理想や願望、欲などを夢のように描き出して、そしてそんな自分自身を理解出来ずに自暴自棄になる。
後悔するだけの酷く短絡的な文章で僕と言うものは完結してしまうのだ。
ーーーそんな事は分かってる。
分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる分かってる。
……………。
………。
誰かと何かを分け合えるという事を当たり前だと思っている人達にはきっと分からない。
当たり前だと思っている事が当たり前に存在していないことなんて。
辛い時に辛いと言えない苦しさなんて。
僕もそんな人が側に居たら、少しはマシな人生を送れたのかな。
ーーーあゝ、今日は冷えるから暖かくして寝よう。
こんな町にも雪が降ったんだ、いつもより一枚多く布団をかけて。
長い長い眠りに就こう。
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