いつもそこに

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「お邪魔します。誰かいませんか?」そう言おうとした時、部屋の異臭に気がついて咄嗟に鼻を覆った。 「これ、ガスの臭い!大変、」 私は慌てて部屋の中に入って行くと、リビングのソファで眠るようにダラリと座った母親と、隣に寄り添うように抱きついている少女。 床にはいつもくれる色とりどりの折り紙の花が散らばっていた。 「おじょうちゃん、こっちにおいで、ここにいたらあぶない!」 問いかけても少女は答えることも私を見ることもしなかった。
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