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悪夢は、無限に異臭を放つ身中の腐肉だ。
記憶の奥底にこびり付き、私の人生の大切な思い出を蝕んで行く。
その悪臭を忘れるために、私は無限に過ぎる虚しい空白を生み出し続けている。
見たくない。憶えて居たくもない怖い夢は、何日も心を縛って離さないのに、楽しい夢は何時も朝には消え失せてしまう。
残っていて欲しいものほどすぐになくなって、私の人生にはあとどれくらい、輝きが残っているのだろう?
昨夜見た夢は、子供染みていて他人に話すには恥ずかしいくらいだったけれど、それでも不思議な幸福感に満ちた暖かい夢だった。もう一度見てみたい。そう思うような……
今でもはっきり思い出せる。楽しい夢だった。
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