3 宝の地図

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「あなた、どうして知っているの?」 「草むらにいる(しゃべ)りうさぎに聞いたよ」 (しゃべ)りうさぎ。ですって? 真面目(まじめ)な顔で平気(へいき)(うそ)()く少年にますます(はら)()てた私は、きんきんした子供の声で言い(かえ)す。 「何を言っているの? うさぎが(しゃべ)るわけがないじゃない。あなた(うそ)つきよね。そう言う態度(たいど)よくないよ。私、さっきのあなたの(おど)りの()()けも本当(ほんとう)全部知(ぜんぶし)っているけど、絶対教(ぜったいおし)えてなんかあげないから!」 (はら)いせに仕返(しかえ)しの(うそ)(まじ)えて反撃(はんげき)した私は、ようやく気分がすっきりとした。 ところが、少年は(うそ)真実(しんじつ)に受け止めたらしく、(ひとみ)(かがや)かせて(うれ)しそうな声で(こた)えてきた。 「なんだって! 知っているのかい?」 「ええ、もちろん、よ」 ()り言葉に、()い言葉…… 「ぼく、どうしてもこの先の“()り”を知りたかったんだ。お(れい)をするから出来たらここで、やってみせてはくれないか?」 彼は本当に子供らしかった。私はどうにも(うそ)だったとは言い(にく)くなり、適当(てきとう)にそれらしい(おど)りの()りをして見せた。 「えっと、ほら、ここをこうして……」 「ははあ、なるほど…… これは大人(おとな)()り付けだなあ…… それでこのあとはどうするんだい?」 素人(しろうと)の私より、よっぽど(おど)れる少年は私の考えた適当(てきとう)()りを“ちゃんとした”バレエの()り付けらしく完成(かんせい)させた。 「へええ、結構良(けっこうい)いね。気に入ったよ。(おし)えてくれてありがとう」 少年の()()ぐな()で礼を言われた私は、少しだけ彼に対して(うし)ろめたい気がした。 「え、ええ。どういたしまして。あなたのダンスも、とても素敵(すてき)だったわ」 「(きみ)()り付けのおかげだよ。ようやく(おど)れて(たの)しかった。本当にありがとう……ええと?」
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