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林での一件のあと、友達になった私とバレエ少年の“リード”は小川のほとりに並んで座ってサンドイッチを食べながら先ほど少年が懐から取り出した紙切れを広げていた。
「英語で書かれているのね。知らない単語が多くてほとんど読めないけれど、やっぱりあなたの言うとおり“宝の地図”って分かる部分もあるわ」
「そうなんだ、もう少しここらへんの文字が読めたら、こっちにある記号の意味も分かると思うんだけど……」
二枚で一組となっているらしい古文書風の汚れた紙切れは、私たちの好奇心を大いに刺激した。
「オゼの書斎にね、変わった辞書がたくさんあるの。見たことのない言葉でも載っているかも知れないわ。私が辞書を引いてあげるから、二人で手分けして訳して見ましょう」
夕方、オゼが帰るまで特にやる事のない私は、新しい遊びをもたらしてくれた友人を加えて黄色いレンガの散歩道を意気揚々として帰っていった。
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