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それから夕方まで、私とリードはオゼの書斎で古文書の解読作業に没頭した。
しかしオゼの辞書にも“知らない言葉”は載っていなくて、思いのほか成果は芳しくなかった。
それでも折角の宝の地図を諦めたくない私たちは、オゼが帰って来るのを待って協力をお願いすることにした。
オゼならば、この地図の文書も簡単に読めるに違いない。
「そうだわリード、あの子にも名前を付けてあげなくちゃ」
風を入れるために開けていた窓から、庭でじゃれ合う愛らしい二匹の動物の姿が見えた。
そうだ"猫"にも名前が要る。
「なるほど。マシューの相棒か、ジョルジュなんて名前はどうだい?」
「ううん、そうねえ……」
……私はしばらく考え込んで
「レオナルド!」
と叫んだ。
『うなん?』
庭から、まるで『呼んだかい?』とでも言う様に灰色猫の返事が聞こえて来た。
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