プロローグ

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プロローグ

朝だろうか…… 夕だろうか? ドーム状に(ふく)らんだ小さな丘の(いただき)に、大きな虹色のオオカミと金色の毛皮で、ケープをまとった不思議なうさぎが(たたず)んでいる。 まるで私のことを待っているように、優しく、微笑を浮かべ、(あけ)に染まる夏草のうえで静かに視線を私の方へ投げかけている。 (あたた)かいふたつの瞳に、私の顔が逆さまに映って消えた。
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