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38. 仕組まれた口合わせ
「まだ働きたいだろう?」
「えっと……、はい」
筒外は清水のほうを一度見てから力なく頷いた。そして2人は清水をその部屋におき、外に出ると鍵をしめてどこかに行ってしまったようだった。足音が遠のき、やがて聞こえなくなる。
そして、足と腕をガムテープでしばられ口にはられたガムテープのせいで鼻で呼吸するしかできなくなった清水は床に倒れ込んでしまった。
天井がやけに遠く感じる。幸か不幸か室温は気持ちいいくらいの涼しさだった。冬じゃないのが救いかもしれない。
――どうしよう、カバンは廊下にほったらかしたままだし、しゃべれないから助けも呼べない……。
じんわりと何度めかの涙が浮かんだ。
――はるるん、助けて。助けてよ。クロさんでもけーちゃんでもいい、誰か……。
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