二、それぞれの捜査

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先輩と一旦別れて、俺と広太は特別棟二階の生徒会室前に到着する。 ちょうど部室である多目的室の真上に位置しているようだ。 しかし階が一つ違うだけでこんなにも違うのだろうか? 扉は金色のノブが取り付けられた木製で、陽光を反射するほどに磨かれている。 そして掲げられたプレートには『生徒会室。 関係者以外の立ち入りを禁ず』と明記されていた。 これだけで入室する気が失せる。 閑散とした廊下には夏休みに開催される全国大会の予選に向けて、吹奏楽部の練習する音だけが響いている。 この演奏曲が「ミッションインポッシブルのテーマ」なのも、これから俺たちが挑む目的に似合っている。 「さてと、これから我が広学高校の頂点に君臨する組織と対話するわけだけど、どうだい?」 その例えは如何にも広太らしい。 いつもらしさが出ていて安心できる。 「どうだい? と訊かれてもな。 実感がないさ」 「それはセンらしいや。 僕も気を楽に話ができるよ」 手を組んで腕を伸ばし、ふっと息を吐いた広太は身を投じる気持ちなんだろう。 親友と改めて述べるのは少し恥ずかしいが、そのような存在の広太がここまで乗り気なら俺も頑張るしかない。     
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