二、それぞれの捜査

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センちゃんは上手くいってるかしら。 私の頭の中はその事でいっぱいだった。 普段からあまり社交的な立ち位置ではないセンちゃんだから、他人と会話するのは得意ではないと思っている。 きっとこれは考えすぎの類に入るのかもしれないが、相手が相手なだけに心配するのだ。 「やっぱり私が行くべきだったかな......」 一般棟に向かうための連絡通路を渡りながら独り()つ。 生徒会の人に迷惑かけてなければ良いんだけどね。 その時ふと立ち止まったのは、ばんと布を張ったような響きの良いトランペットの音が聞こえたからだ。 手すりに身を預けて見下ろすと、吹奏楽部の生徒が個人演奏の練習をしている真っ最中だった。 時折、陽光が金管楽器の黄銅に反射して眩しい。 夏服姿の彼女は、日陰に移動する事なく必死に同じパートを繰り返していた。 演奏の出来不出来には疎い耳からすると充分な上手さだとは思うが、彼女なりに気にくわないところがあるのだろう。 そんな姿を見ているだけでも高校生の青春を感じさせる。 きっと彼女にも練習を教わる先輩がいて、その先輩が卒業する日には涙を流して抱き合うんだろうな。     
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