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一頻り話し終えると、鈴西は腕を組んで嘆息する。
「......そうか。 それで不祥事を起こした可能性が高いというわけだな」
「違いますか」
「違うもなにも。 君には残念なお知らせがあるんだ」
「残念な知らせ?」
険しい表情からは一転、どこか薄笑いを浮かべ、やけに静かな声を漏らした。
「この高校に、新聞部は存在しない」
その言葉に、俺はどれだけ驚いただろうか。
しかしその驚きは「なんと、新聞部は霊の存在であったのか」ではなく、「どうしてそんな嘘を吐くのか」というものだった。
まさか徽章を見て俺たちが一年生だと甘く見ているな? 仮にそうだとしたら、その考えを覆すカードをこちらは所持している。
「先輩、嘘を吐くのは生徒会長としてあるべき姿ではありません」
「私は嘘をついていない。 君はどうしてそう思ったんだ」
「この高校の部活動を指揮っているのは生徒会です。 その生徒会が「新聞紙を知らない」と言うのはおかしいでしょう」
鈴西は怪しげな薄笑いを浮かべる。
「ほう。 では君は広学高校に部活動がどれだけあるか知っているのか?」
「そ、それは......」
痛いところを突かれてしまった。
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