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ここで俺が答えなければ、「君がそうなるように、私も全てを把握しきれてない」と鈴西に話を終わらせられかねない。
......そうさせてたまるか。
「正直、俺にも分かりません」
「ほら、君もそうじゃないか。 私も全ての部活を把握しているわけではーー」
予想通りだ。 言葉尻に重ねて反論する。
「では、どうして「新聞部は知らない」と言ったんですか? 先輩が部活動を把握できていないのなら、「分からない」でも良いはずです」
「............」
「本当はご存知ですよね?」
まずは一枚、皮を剥げただろうか。
鈴西は少し考えるほどの間をおいて答える。
「それじゃあ分からない、としておこうか。 私は新聞部の存在については分からない」
「ほう。 そう仰るんですね」
墓穴を掘ったな。 あの反論はこの墓穴に誘い込むための罠だ。
「それでは部活動名簿を見せてもらいましょうか。 元生徒会長である貴方なら、一年前の部活動名簿があれば存在の否定は出来ませんよ」
元生徒会長なら、去年の時点で二年生あるいは三年生。 しかし今年も在籍しているので、鈴西はいま三年生だ。
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