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元々心臓が弱かったらしい。
それからはあっという間だった。
日に日に弱っていく彼だったが、何故かなんとかなると言い張っていた。
1週間が過ぎた頃、ふと思いついたかのように話し始めた。
ー俺、多分、自由になるんだわ。
とうとう頭までおかしくなったかと思った。
ーいや、さ?何だかんだで、数10年闘病生活をしてたのよ、これでも。
でもまぁ、長くはもたないって言われてたから、覚悟はしてたんだよね。
私はしてなかったっつの。
ーだから、生きれる間は自分が好きなこと、やりたいことを全力でやろうって決めてたわけよ。
全力で騙されに行ってたわけか。
ー何?その顔(笑)
とにかくね、もう、悔いは無いわけよ。
あぁ、でもお前のおばあちゃん姿みれないのは残念かな?
みなくていいわ。
ーだから、俺がお前に別れを言う日は、俺がこの生活から解放される日。
そんでもってお前が俺のわがままから解放される日。
......。
ーそしたらさ、毎年この日に祝ってくんないかな?
新しい旦那とでもさ。
あ、あれだ。
解放記念日だ!
お前仕事頑張りすぎてるから、2日間ぐらい休ませてもらってさ。
ぱぁーって!ね?
っておいおい、泣くなよ(笑)......俺、お前と一緒に居れて、本当に幸せだったよ。
本当に、幸せだった。
ありがとう。
愛してる。
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