20XX年 冬

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元々心臓が弱かったらしい。 それからはあっという間だった。 日に日に弱っていく彼だったが、何故かなんとかなると言い張っていた。 1週間が過ぎた頃、ふと思いついたかのように話し始めた。 ー俺、多分、自由になるんだわ。 とうとう頭までおかしくなったかと思った。 ーいや、さ?何だかんだで、数10年闘病生活をしてたのよ、これでも。 でもまぁ、長くはもたないって言われてたから、覚悟はしてたんだよね。 私はしてなかったっつの。 ーだから、生きれる間は自分が好きなこと、やりたいことを全力でやろうって決めてたわけよ。 全力で騙されに行ってたわけか。 ー何?その顔(笑)  とにかくね、もう、悔いは無いわけよ。 あぁ、でもお前のおばあちゃん姿みれないのは残念かな? みなくていいわ。 ーだから、俺がお前に別れを言う日は、俺がこの生活から解放される日。 そんでもってお前が俺のわがままから解放される日。 ......。 ーそしたらさ、毎年この日に祝ってくんないかな? 新しい旦那とでもさ。 あ、あれだ。 解放記念日だ! お前仕事頑張りすぎてるから、2日間ぐらい休ませてもらってさ。 ぱぁーって!ね? っておいおい、泣くなよ(笑)......俺、お前と一緒に居れて、本当に幸せだったよ。 本当に、幸せだった。 ありがとう。 愛してる。
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