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「まー君!」
朝の恒例になっている。
ボサボサ頭で正弘は、家から出て来た。
「まー君、寝不足?」
「いや、寝違えて首が痛いだけ。」
ミヨリは、心配そうにしながら正弘の首筋を触った。
「保健室で湿布もらおう。」
ミヨリが正弘の腕に自分の腕を絡めてきた。
「で、咲の好きな人って?」
「やっぱりあのバイト先のイケメンだと思う。」
「何でそう思うの?」
「あの人、ネットで調べたら高校野球で甲子園行った経験がある人だった。」
「マジ?すげーな。」
でも、何で甲子園選手が牧場でバイト?
「家が超貧乏でバイトしながら野球続けてるんだって!」
なるほど、咲は一生懸命な人が好きなのか。
ミヨリは、瞳を輝かせている。
「決まりだな。」
「おにいとしては申し分ない相手じゃない?」
「そうだね。」
「今日、咲にユサブリかけるね。」
そうか、でも、何でミヨリはそんなに積極的なんだろう?
「ソフトタッチでね。俺まで咲に怒られるからさ。」
「了解でーす。」
冴えない兄貴を持つとハングリーな人を好きになるんだな。
少しは、俺も役に立ってると正弘は思った
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