01.22歳、春

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どうしてもこの差は埋まらないのであれば、同じ目線を持った人をパートナーにしなくてはならないのだ。 「ケイちゃんを、卒業します」 挙手をして、そう宣う私に、ケイちゃんは不思議そうに眼を細めたあと、 「いいんじゃない?」 と笑った。 やはり私が手を離せば、あっさりこの関係に終止符は打たれてしまう。 「……ありがとうございました、今まで」 「こちらこそですよ。こんなおっさんのお相手してもらって。」 そうやっていつも私を線引きし、子供扱いするところ、凄く嫌いだった。 「ようやく、サクの目が覚めたんだ、喜ばしいことだよ。」 「うん」 「サク。」 「うん」 「幸せになってほしい。」 そうやっていつも、優しい言葉で私の涙腺を緩くしてしまうところ、凄く嫌いだった。 「最後に懺悔していい?」 「なに?」 「初めて会ったとき、俺、カノジョいるっていったじゃん」 「うん」 「あれ、ウソ」 「ウソ!?」 「ごめんね。こうなるの、おじさんには分かっちゃってたから。 傷つけたくなくて、嘘ついちゃった。」 キャラメルスチーマー。いつものやつ。甘いのが好きな、ケイちゃん。 私の大学生活はケイちゃんを追いかけた4年だった。 何もかも知っているようで、何も知らなかった。 「旅行で大阪に行くことあれば、連絡してよ。飲みにでも行こう」     
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