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「『こたつ』を手に入れたんだ」
RPGのゲームで、強力なアイテムを手に入れた事を報告するように、立花正樹が嬉しそうに言ってきたのは、明日から大寒波が襲来するとテレビで天気予報士が告げた月曜日の朝の事だった。
「おー、いいな。鍋やろうぜ鍋」
こたつでヌクヌクしながら、熱い鍋をホクホクと食す。最高のシチュエーションだ。なのに
「うーん」
正樹のレスポンスは悪い。
「なんだよ。俺を部屋に呼びたくないってのか? まさかお前、ついにオンナが!?」
それならそれでめでたい。正樹はホントにイイ奴なのだ。真面目だし礼儀正しいし貯金もあるし。俺が女なら絶対に逃がさない。世の中の女は全く分かっていない。正樹の顔がちょっとジャガイモっぽいからって、なんだって言うんだ。
「いやいやいや、そんなんじゃないよ」
真っ赤な顔をして正樹は否定する。
「……ただ、ちょっと猫が」
「猫ぉ? 」
『コタツに猫』。これでミカンをつければ、絵に描いたような『日本の冬』だ。素晴らしすぎる。
「え、なんでなんで。俺、アレルギーとかないよ、全然OK。にゃんにゃんウェルカム、カモーンにゃんにゃん」
「うーん、でも信じてもらえるかなぁ」
「はぁ? 何を?」
歯切れの悪い正樹を問い詰めると、奴はこんな話を始めた。
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