歪んだ愛情がとても綺麗だと感じた

8/12
前へ
/12ページ
次へ
彼が死んだ日から1ヶ月。 その日の朝、教室へ入ろうとした時、誰かが置いたのであろう、彼の机の上に花をさした花瓶が見えた。 「春ちゃんおはよう!…え?」 教室の出入り口で止まっていた私に咲ちゃんは挨拶をしてくれた。彼女はそういう人だった。 彼女の方を振り向くと、視線は彼の机だった。 「おは…痛っ!」 彼女は出入り口に立つ私を無言で押し避けた。まさか押されると思わなかったため、そのまま手を付く暇もなく床に身体を打ち付けたが、彼女は気にすることなく、彼の机へ向かった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加