第1話 こちらの世界にて。その4

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「あれ?歌夜、どうした?今日はなんか雰囲気違う?」 登校中に早速言われた。 なんとまあ、私の友人様は目ざとい事だ。 ふふ……しかし、どこが変わったかなど分かりはしないだろう。 「別に。いつもと同じ」 あくまでもクールにクールに。 「いいや!違うね。えっと、それだ!」 ビシッと私の女神たる証を指差す友人。 「ち……」 ばれてしまった。 「何故舌打ちされた私!」 「あー、いや、何となく?」 「酷くない!?」 何処にでもありそうな女学生同士の他愛もないやり取り。 私はこの子との時間は嫌いではない。 「でも……ふぅん……?」 何やら、とてもいやらしい目でじろじろ見られる。 「何?」 「うん。良いんじゃないかな?よく見たら髪型も何気に変わってるし」 いや、髪型は変わってると言うかなんと言うか……。 しかし、まぁ良い顔するよね。友人様は。 「う……」 でもね? そんなに真っ直ぐな感じで言われたらさすがに照れる。
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