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パンドラの箱ーーそれは全ての災いとして神々に作られた少女に贈られた禁断の箱。
彼女は好奇心から開けてしまう。
その瞬間、世界に災いが溢れだしてしまう。
しまったーー。そう思い、慌てて箱を閉じるが、時は既に遅し。
大半の災いは世界に撒かれてしまった。
唯一、箱の中に残ったのは希望だけだった。
と、そんな話だったと私は記憶していた。
あの日、私も彼女ーーパンドラと同じ、好奇心から開けてしまったのである。
私の箱を……。
恋心と言う名の禁断の箱を……。
その中にあったのは、はたして希望なのか……。
それとも絶望だったのか……?
その答えは私にも、そして私が好きになってしまった彼にも、この物語の終わりにならないと、本当の意味ではわからないのかもしれない。
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