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「おはよう。歌夜」
いつもの母の挨拶に゛この人の娘〝としての私がいつものように返事を返さなくては。
「おはよう。お母さん」
「歌夜、寝癖……すごい、よ……?」
若干、いや、かなり引きつった笑顔の母。
そんなに酷いのかしら?
いや、それもそうか、何故なら夜の私は災いの女神として世界を敵に回して戦っているのだから。
「うぇ……?」
しかしまあ、試しに手で頭を触ってみたが確かにこれは酷い。思わず変な声が出てしまった。
「あんた、私に似て癖っ毛なんだから」
そう言う母もよく見たら髪が少し跳ねていた。
なるほど、血は争えない。
「うう……これは珈琲飲む時間ないかな……」
食後の珈琲タイム、無論ブラックは私の至福の時であると言うのに。
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