α1

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「なぁ、コンビニいかね?」 部屋のドアが開いて、酒井が顔を覗かせた。 無造作に机の上に乗っているスマホをタップすると、20:30の表示。 かれこれ2時間ほど、下を向きっぱなしだったみたいだ。 「あー、そうだな。…行くか」 俺は首を回しながら、広げていた研究論文をバサっと投げ出して立ち上がった。 俺の後ろで机に向かっている相沢に 「なんかいる?」と声をかけると、 「あー、そういえば、腹減ってきたかも…」と、天井を見上げる。 「んー、なんか旨そうなものあったら。なかったらカップ麺でいいや」 相変わらず大雑把なやつ、と思いつつ 「りょーかい。湯、沸かしといてな」と言ってジャンパーを羽織った。
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