王道なんですよ。

マリモ襲来ですよ。

「紗羅兄さん、向こうで由羅は水瀬の縁者だとしか思われていないらしい」

「あれ、そうなの？んー、まぁ縁者程度でも下手な扱いされる様な家じゃないからいいけど…結羅が態とそうしてるの？」

「いや…どうにも、あまり騒がれないように母さんの実家の方の苗字を使ってるみたいだが……アイツとしては、自分から何も言わなかったから勘違いされたから、これ幸いと放置してるみたいだな」

「……へぇ。あそこの学園は資産家の息子が多いから、せめて本家の人間の顔くらい知っておいて欲しかったんだけど…期待はずれだったかな」

「まぁ、そこは餓鬼だと思って家を継ぐまでは許してやれ。……いくら知らなかったとしても、あまり目に余るようなら潰すが」

「ふふ、それもそうだね。その時は水瀬の全てを持ってお相手してあげよう」

『水瀬家』: 世界でも有名な《水瀬グループ》を運営する。その影響力は一国の主でも無視出来ない程のものであり、当然国内最大級のシェアを誇る。また、どういう理由か一族揃って身内にのみ甘く、あまりの徹底ぶりに他人に興味が無い事で知られている。身内 ─特に本家の人間─ に対する暴挙には一族総出で徹底的な制裁を行う事から、それなりの地位を持つものからは畏怖の対象にもなっている。

『水瀬グループ』: 国内最大級のシェアを誇るグループであり、育児用品から娯楽施設、海外貿易まで幅広く手掛け、更にその何れ《いずれ》も成功させている。