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side:音弥
こんにちは、で合っているのでしょうか……。
私の名前は深影 音弥、水鏡学園で生徒会副会長を務めさせて頂いています。
この学園の生徒会は全校生徒による人気投票まがいのシステムで役員を決定するのですが、その悪影響が今や学園そのものを内部崩壊寸前まで追い込んでいます。
そもそもの始まりは、数ヶ月前に学園にやって来た転校生でした。
転校生──間宮 愛は、難関として有名なこの学園の編入試験を満点で突破した生徒として、編入前から注目していた生徒でした。
そして編入当日、彼の案内を任された私は、初対面ながら彼に強く惹かれました。
出会い頭に私の作り笑顔を気持ち悪いと言われた時は正直『貴方に私の何が分かる』という反感がありました。
しかしそれ以上に、それをはっきりと指摘できる率直さや、私とは違う…心から浮かべた笑顔に惹かれました。
それは、私の周囲には無かった、眩しいものだから。
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