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第5章 中国起源の日本文化
第3節 こたつ
この節では、私たちに身近なこたつの由来について説明する。
こたつの存在を確認できる最古の資料は、8世紀の中国(唐)で書かれたある歴史書である。しかし、こたつが出てくるのはその中でも4世紀の晋時代について言及した部分であるので、晋時代には既に存在していた可能性が高い。その文脈などは一旦置いておき、ここでこたつは「虎辰」という表記をなされていることに注目してほしい。つまり虎と竜を意味する名前だったのである。
前掲の資料によると、当時からその形状はほとんど変わっていないようだ。木でできた四つ脚の骨組みに布をかけ、その上に四角形の天板をのせる。そして地面に穴を掘って、その中で炭に火をおこし、こたつを被せて内部の空間を暖めていたようだ。この現代まで伝わるこたつの形状、何かに似ている……甲羅を背負った亀そっくりだと思わないか。事実、資料では「亀の甲羅を模した形」とされている。
虎、竜、亀……ここまで聞いて聡明な方はお気づきのはずだ。四神である。
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