迫りあげる青

第一章 堅い扉の奥で

今回は風花風紀委員長のもとで、イベント実行委員長の赤松を陥れることをしたのだが、裏切り者に証拠音源をとられてしまい、結果風花先輩と他俺含む数人が脱退。裏切り者の松永先輩は風紀委員長へと昇格し、その他欠員は赤松の息のかかった人たちが入るという内済の形となった。

今回の風紀内部からの裏切りも上手くいったといえる。もっと早めに先手を打つべきだった。

……、でも正直いうとどこかホッとしている。

理事会内の権力争いもあるからすんなりとはいかないだろうけど、学生における大きな争いはこれでなくなった。理事会でも赤松のバックにいる派閥が優勢になった。

風花先輩のバックにいた理事らは劣勢になるだろう。
自分たちの勢力が負けたことには不満だが、平穏になることは望ましい。

それに、風花先輩と赤松が付き合うことになったから、よかったと思っている。

大学の付属高校が男子高校なのもあり、多少は男同士でも寛容だろうということは入学前から予想していたが、むしろ高校よりも寛容だ。少なくとも大学では後ろ指さされることはないだろう。

これでよかったのだ。

俺のしたことはよくないけど。