迫りあげる青

第一章 堅い扉の奥で

赤松を陥れるにあたり、彼の支援者やそれと思しき者をスタンガンで失神、誘拐、拉致をした。一気に叩こうとの作戦だった。
そのなかでも梅村先輩にはとくにひどいことをした。

風花先輩の後輩風紀として、仲良くなろうとしていたのに、拘束だけでなく、セクハラを、怖い思いをさせた。
それは拘束中、梅村先輩にあることを言われて。

「木戸くんのしたいことは、一番したいことは、何？」

その言葉で逆上した。風花先輩も好きで、でも風紀の仕事も好きで。

高校から続く生徒会と風紀、大学ではイベント実行委員会と風紀との争い、風花先輩の友達だった外部生の梅村さんに矛盾を突かれて、腹が立ったのだ。

ドロドロしたものが沸き上がり、噴き出して。

途中で松永先輩やその後のレンの乱入でセクハラ以上のことをせずに済んだ。

レンは高校のころ二人一部屋の寮で三年間相部屋になっていたのがきっかけで、友人……、いや知り合いとの間の関係で、不良でヤンキーだったレンを風紀委員の職務の上で関わることがあったのもあり、
距離は近いが親友ではないというよく説明できない間柄だ。