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なんとか30分でマンションを出ることができた。
エレベーターで最上階の7階から一階まで降り、駐車場へと向かう。
705の駐車スペースに停めてあるレンの白い車へと向かう。駐車場はちょうど朝日がマンションに遮られていて、涼しい。
車は自分自身まだ持っていないが、レンや家の執事が来た時のために駐車スペースを確保している。
ついでに言うとマンションは学生用のマンションだ。大学敷地内にある寮に購買はあるのだが、高校とは違い寮内には食堂はない。部屋も一人2LKと広いため、もっぱらマンションと呼ばれている。家賃も寮の割に高いしな。
「お邪魔します。」
暑そうだから後部座席に乗る。レンは慣れたしぐさで車にキーを差し、バックをしはじめた。
しばらく道なりに進むようになり、レンがミラー越しに視線を合わせ、口を開く。
「見送りしたら、ついでにどこか寄ろうぜ。海近いし。」
「いや、海水パンツどころか靴履いてるけど。借りるとこあるかな。」
そういうとちらっと一瞬後ろのこちらを見やり、
「谷崎さんがガソリン代と一緒に、お金用意してくれたから。俺のはトランクに入れてきてるし。」
「谷崎さん甘いよな。」
谷崎さんは俺の家の執事の一人で、10歳年上だ。小さい頃から面倒をみてくれていて、今は様子見も兼ねて、生活費とは別の娯楽費を家から渡しにきてくれている。
最近大学の購買でバイトするようになったから、ガソリン代はともかくいいんだけどなと思う。
働いてからお金の考え方が変わった。
でもありがたく使わせていただきます。
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