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病院自体が新しい所ではないので、病棟も綺麗とはお世辞にも言えないけど、広間みたいなスペースもある。 テレビは病室にはない。 広間にだけだ。 携帯電話も使えない。 当然、インターネットなんてない。 僕の部屋は4人部屋で、同室には母親世代のおじさんと、おじいちゃん、少し年上そうな男の子がいた。 「…橋本奏多です。よろしくお願いします」 もごもごと聞こえるか聞こえないか位の声で挨拶をすますと、おじさんとおじいちゃんは申し訳程度に頭を下げてくれた。 「こんにちは!」 前のベッドの若い男の子だけがビックリするくらい大きな声を返してきた。 「俺、飯島唯っていうんだ!よろしく。入院初めて?」 「……はい」 「そうなんだ。俺、3回目。今18歳なんだけど15の時からでさ。橋本くん、いくつ?」 ぐいぐいくるから、戸惑ってしまう。
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