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人見知りの私は子供のころ田舎に行くのが大キライだった
そこには背の高いおじいさんと少し太った足の悪いおばあさんがいた
二人とも私をとてもかわいがってくれた 子供心にもそれはわかる
ではなぜ嫌いだったのか
その理由の一つは〈ブラックホール〉だ
田舎のお家にはブラックホールがあった
お家に入る前にみんな必ず私に言う
ブラックホールに1人で入っちゃダメだよ
だからお母さんかお父さんと一緒でないと近づかなかった
ある日1人ぼっちだった私は相棒のウサギのぬいぐるみ、くるちゃんと一緒に勇気を振り絞ってブラックホールに近づいた
まず足を入れた
ここまではいつもと同じ
なぁ~んだ大丈夫だぁ~と安心した瞬間 くるちゃんがブラックホールに吸い込まれてしまった
慌てて生まれて初めてブラックホールに足ではなくあたまと手をいれた
無我夢中で手を差し伸べるがブラックホールは熱くて真っ暗
私まで吸い込まれてしまいそうな勢い
そんなとき誰か私の背中おさてブラックホールから助けてくれた
背の高いおじいさんだ
すぐさまおじいさんにくるちゃんがブラックホールに吸い込まれてしまったことを言うとおじいさんがブラックホールにあたまから入った
私は必死でおじいさんのシャツの裾をおさえていた
おじいさんはすぐくるちゃんを救出してくれた
ブラックホールから生還したくるちゃんはブラックではなく、グレーの粉だらけだった
慌ててお家に入ってきたお母さんが私に怒ろうとしたとき
おじいさんは
小さい子供がいるんだ
大人がちゃんとしなくちゃいけなかったんだね、と私のあたまをなでて
私が掘りごたつに入っても落ちないよう板を取り付けてくれた
その日からおじいちゃんは私とくるちゃんのHEROになった
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