第一章 新一

2/21
前へ
/55ページ
次へ
96年の初秋タイの最北端の街メーサイに俺は居た。 緩やかに蛇行したサーイ川は国境を沿うように流れている。 川に架かる橋の真ん中にはイミグレーションがあり、ここを通る旅行者は通行料を支払い出入国のスタンプを押さなくてはならないはずなのだが、紐を額にくくりつけ大きな竹籠を背負ったミャンマー側の山岳民族の人達は川の上流からひっそりとタイに渡る。 ここに来た目的はその山岳民族の写真を撮ること、それも今まで誰もやった事のない斬新な方法で!
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加