第三章 闇タバコを売る男

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四日後の朝、オジサンに俺のホテルに来てもらい早速仕事の話をした。 この部屋は道の向こうは切り立った崖のために、陽当たりが悪く昼過ぎまで光が入らない。 暑さ凌ぎには良いのだが、曇りや雨の日は日中電気をつける日もあった。 隣には通訳として雇った大阪から来た田中が居る。 日常会話ならアバウトな英語で何とかなるが、仕事の話だと煮詰めないけない。  幸いな事にミャンマー語が堪能な学生がメーサイプラザに居ると聞き込み、夕飯をおごる条件で助っ人を頼んだのだ。 黒渕の丸眼鏡に、肥満体型の田中を見た時は、コイツ大丈夫かと正直思ったが、スラスラと流暢に話す会話を聞いて安心した。 夕飯は、少し高いがホテルのステーキを奮発しなければなるまい。
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